地元産材との接点を増やす/岸田木材株式会社

富山湾越しに立山連峰を望める風光明媚な街・氷見市。全国的には寒ブリをはじめとした魚介類が有名ですが、実際に訪れてみると、市街地は海と山に挟まれていて、森の存在を身近に感じられる場所だということが分かります。岸田木材株式会社は、ここ氷見で創業から140年の年輪を刻んできました。

目下のところ進めている事業の一例が、木と人間の接点を増やす製品づくりです。「みんな木が好き。でも、詳しくは知らない」。岸田真志社長が嘆きます。木そのものにネガティブな印象を持っている人は少なく、むしろ「落ち着く」「癒やされる」と良いイメージで語られることが多い。しかし、いざ自宅や愛用の家具に使われた樹種を問われると、答えられない人は多いでしょう。

木への愛着が育たないと、どうなるでしょうか。木材の消費量は増えず、維持管理を生業とするのが難しくなり、里山は荒れ、国内の林業は廃れるかもしれません。外国産材も、コロナ禍で顕在化した「ウッドショック」のように、輸入が滞ったり価格が高騰したりするリスクが付きまといます。安定して木材を利用するためには、折に触れて地元産材を消費してもらう必要があるのです。

そこで、岸田木材は本業である製材業の傍ら、万年筆インクからアロマウォーター、マスキングテープ、クラフトビールまで多岐にわたる製品を手掛けてきました。消費する機会の拡大を目指す以上、ポイントは日常生活の中で頻繁に手にする製品です。

「木は当たり前にあるからこそ価値が伝わりにくい。そして、われわれも伝えてこなかった」。そんな反省から、今後は宿泊や食、農業など、木と人間の双方を結び付けられる分野に進出しながら製品・サービスを世に送り出し、地元産材の用途を拡大していく方針です。

「林業高齢化」データに危機感/代表取締役社長 岸田真志さん

実証ラボで興味深かったのは、能登の人材を取り巻く状況についての勉強会で共有された能登の農業・林業の高齢化を示した棒グラフでした。6割以上が60歳を超え、60歳未満は4割もいないという状況だということです。このデータが意味するところは、このまま推移した場合、遠くないうちに林業の担い手が半減するということです。

もちろん、若者が新たに就労するのが最も望ましいのは確かです。でも、人口減少という時代背景を考えると、思うように就労者が増えない可能性も考慮すべきです。だから、今のうちから集約化・効率化を進めておかないといけない、そんなことを感じました。

また、組織変革につながる人材に関する議論で「親戚のおじさん」というモデルが示されていたのが印象に残っています。しがらみを気にせず、外部から意見してくれたり仲裁してくれたりする人を指します。人材の流動性が下がった組織では、みんなが現体制や過去からの仕事のやり方に慣れきってしまい、外部環境の変化や新設備の導入に順応できないことがあります。たしかに経営者と現場、世間のズレを「通訳」してくれるような人材は重要だと思いました。

「ギャル採用」はじめました

「親戚のおじさん」を弊社風に言い換えたのが「ギャル」です。

どんな業界・会社でも、非効率だけど何となく続けている商慣習や社内の仕組みがあると思います。ここで言う「ギャル」とは、本来なら改めるべき事柄について、一社員でありながら、まるで外部から見ているかのようなフラットな立ち位置から正論をぶつけてくる人材をイメージしています。

幸いなことに弊社は若い社員が多く、たとえば20年後でも会社を支えてくれる人材はいるはずです。それゆえ業界内のみにフォーカスすると「生き残れば勝てる」という状況ではあるのです。

しかし、前述のように林業は高齢化が進んでいます。木材全体の消費が活性化しないと、私たちの製材業より上流にある林業が廃れてしまいかねません。そんな危機感を持っているからこそ、業界や組織の中で凝り固まってしまった「常識」にとらわれずに思考、発言してくれる人を求めています。

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