みどりのバス、能登を駆ける/株式会社丸一観光

日本海側特有のどんよりした空の下を、鮮やかなみどりのバスが駆け抜ける。株式会社丸一観光は七尾市を拠点として、主に貸切バス事業を営んでいます。もともとは白色のバスを使用していましたが、2003年には黄緑色に変更。同業他社には白やクリームといった淡い色合いが多いため、観光地やバス停車場、まちなかで、ひときわ目を引く存在となっています。

グループの歴史は1965年、トラック1台で荷物を運んだことから始まり、時代を追うごとに事業領域をバスやタクシー、旅行といった分野に拡大してきました。国策としてインバウンドの誘客強化が推進されたのを追い風に、丸一観光が担う貸切バス事業は力強い成長を遂げ、グループ売上高の8割を稼ぐようになります。

ところが、2020年に始まった新型コロナウイルス禍で団体旅行需要が消滅。貸切バスの売り上げが激減するという憂き目にあいました。かつてない逆風を受けながらも、丸一観光は高級車を使ったプレミアムな旅を提案したり、関東圏や関西圏に自ら営業をかけたりといった「攻めの姿勢」(木下恒喜専務)を貫きます。旅行会社との日ごろの結びつきも奏功して売り上げは回復し、現在ではコロナ前を上回るに至りました。

「目指すは石川県下ナンバーワンのバス会社」。能登から、金沢から、全国各地へ。快走は続きます。

窮地で奮闘する仲間に勇気もらう/専務取締役 木下恒喜さん

実証ラボの特長は「自社“も”地域“も”良くしよう」という考え方です。いくつかの経営者団体に所属しているのですが、この両立を目指してメンバーが経営課題について深く議論する場は他にありません。

能登半島地震において、丸一観光は従業員や設備の物理的なダメージが小さく済みましたが、和倉温泉や奥能登に大きな被害が生じたことから、能登旅行のニーズが消えてしまいました。それは弊社にとって痛手ではあるのですが、実証ラボのメンバーには多田屋さんや数馬酒造さんのように、長く営んできた事業の根底を揺るがす深刻なダメージを受けた会社もあります。そんな窮地に立ってなお、従業員の雇用を守り、何とかビジネスの火を灯し続けようと奮闘する経営者の姿勢から勇気をもらいました。

能登では今も日々の暮らしに難儀している方がいて、観光業はまだ「待ちのタイミング」かもしれません。それでも、長期的な視点で能登地域の経済を展望すれば、内需が縮小する中、インバウンドを含めた地域外の人を呼び込む動きは欠かせません。能登観光が本格的に再開する時期はもう少し先だとしても、地域の人々に働く場を提供することもまた企業の使命だと肝に銘じ、とにかく歩き続けようと考えています。

旅を彩るドライバー

業界全体の課題としてドライバー不足があり、弊社でも人材を募集しています。

ドライバーの仕事は安全に正確に目的地まで走るという作業的な面はもちろん、丁寧な運転を心掛ければ気持ちがお客さまに伝わるもので、降車時に「すごく良い旅だった」と声を掛けていただけることもあります。それがうれしくて働き続けている社員もいます。旅の質はドライバー次第で変わるのです。バスを運転するのに必要な大型2種免許を取得する費用は、全て弊社が負担しますので、ぜひ飛び込んでみてほしいです。

また、そんなドライバーたちを陰で支える運行管理者も求めています。こちらも所定の仕事をするだけでなく、ドライバーとのコミュニケーションを通じ、各自の状況を把握するような姿勢を求めたいです。

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