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[ 有限会社 大脇昆布 ]
食品業界を知る兼業人材と商談会突破にチャレンジ。販路拡大のノウハウを自社に根付かせる。

石川県の能登半島で昆布加工業を営む「有限会社 大脇昆布」。全国的にも数少ない職人の手削りによるおぼろ昆布をはじめ、「トーストにかけて食べる昆布」など多彩な自社製品で、昆布の美味しさを広めています。コロナ禍で販路開拓に課題を抱えた大脇昆布。兼業人材の受け入れで難局を打開しました。商品開発や販売促進などを担う大脇弘子さんと、同社を以前からサポートし、コーディネーターとして関わった「株式会社 御祓川」の酒井可奈子さんにお話を聞きました。

明確な課題のもと、必要な専門人材とマッチング

鍛錬を重ねた職人が削り出すおぼろ昆布。石川県には生産の担い手がほとんどおらず、本場の福井や大阪でも数を減らしている貴重なものです。大脇昆布では、ご夫婦が2代目として事業を継いだのを機に、物産展を巡る販売方法から、地域に根ざすことを目指して土産物屋などへの販路を開拓。商品開発にも力を入れ、ごはんやトーストに合う昆布のふりかけなど、特徴的な品々を生み出してきました。しかし、コロナ禍で土産物屋に逆風が吹き、売上が減少。首都圏での小売拡大を目指ことに。この新たな方針が、兼業人材の採用につながりました。

大脇さん 販路を拓こうと、バイヤーの方との商談会にエントリーしてきました。けれど、なにを伝えたらいいか分からず、書類審査で落ちてしまう。商談に苦手意識もあって、上手く進められずにいました。

そんな折、外部人材の活用に関するセミナーを受講しました。普段、夫婦ふたりでは考えが詰まってしまうのも、外からのアイデアによって想像力を広げられるのではと感じ、兼業人材の受け入れを決めました。

こうして2名の兼業人材の採用を決定。いずれも食品関係の仕事の経験がある女性で、ひとりは営業経験者のKさん、もうひとりはレシピ開発が得意なMさん。彼女たちとこのプロジェクトでなにを目指すかは明確に定められていたといいます。

酒井さん 期間が3ヶ月と限られているので、商談会の突破に焦点を置き、大脇さんに販路開拓のノウハウを身につけてもらうことを目的としました。商談で鍵となるのは、効果的に伝える営業力と食卓で商品の世界観を表現する力。こうした力をそれぞれ持っていて、大脇さんの成長への意欲を汲み取ってくれる人とのマッチングをフォローしました。食品会社で勤務していれば、商談会は当たり前に通る道。経験を活かして、大脇さんが成果を出すのを全力でサポートしてくれました。

プロジェクトを始めるにあたり、大脇さんの思いを伝えるとともに、兼業人材ふたりも各々の意欲や抱負を共有。お互いの気持ちとチームの目標を擦り合わせ、女子会のような楽しい雰囲気でスタートしました。

▲兼業者とのオンラインミーティングの様子

超えられなかった商談会の壁をクリア

前半は、10月、11月に行われる商談会に向けて準備を進めました。大脇さんの作成した資料を全員で磨き上げ、レシピや写真など必要な素材を盛り込んでいく。商談会に出ながら、次の商談会に備え、改善を繰り返す。1ヶ月半で4つの商談会にエントリーし、2社と成約、残り2社と継続的にやり取りできるつながりができました。確かな結果が生まれています。

大脇さん これまで商談、商品開発、経理などの業務をほぼひとりでやってきて、資料作成に時間をかけられずにいました。今回、提案のベースとなる資料ができて、今後も活用することができます。苦手だった商談も、場数を踏んで慣れてきました。Kさんには、オンラインでのやり取りのコツなど、たくさんのスキルを教えてもらえましたね。

さらに、商談相手に積極的にアクションをかけられるようにもなりました。遠慮しがちだった連絡も、みなさんに背中を押してもらい、今は自分からどんどんお送りしています。

酒井さん アドバイスを受けて大脇さんが実際に動き、良い結果につながっていくことで、みなさん大きな達成感を得られたのではないでしょうか。提案をすぐ実行に移せる意思決定のはやさは、兼業人材とのプロジェクトにおいて大きな強みです。大脇さんが、おふたりにマメに声かけをしたり、助言を求めたりしていたのも良かったと思います。チャレンジを楽しみ、商談会のスケジュールがなくなるのを寂しくも感じる。そんな良い雰囲気でチームが一丸になれました。

新たな視点で広がる自社のマーケット

プロジェクト後半、前半を振り返りつつ、次の目標を考えました。日頃、仕事に家事に忙しい大脇さん。無駄なく販路開拓を継続できるよう、自社の価値を改めて言語化するとともに、ターゲットに合わせて提案をアレンジするマーケティング思考を磨きました。その中で、Mさんは大脇昆布の商品を使ったレシピをいくつも考案。今までなかったアイデアが、大脇さんの視野を広げました。

大脇さん 例えば、ワインのおつまみに昆布を使う発想をいただき、酒屋さんにもご提案できる可能性が見出せました。また、炒飯などで昆布を調味料にするというのも、私だけでは思いつかなかったアイデアです。商談会のリストを見て、「この会社には提案できない」と思ってきたのが、「この会社ならこう提案できる」と考えられるようになったのは、みなさんの様々な視点に触れられたおかげです。

▲バイヤーニーズに合わせた商品提案を考えた写真

能登と大脇昆布を愛する人が増えた

3ヶ月のプロジェクトは、販路拡大で成果を生み、大脇さんの成長にもつながる機会となりました。そして、こんな手応えもあったといいます。

▲現地訪問の際の集合写真

大脇さん おふたりが大脇昆布を通して能登にも興味を持ち、会社と地域のファンになってもらえたのが嬉しかったです。前のめりに取り組んでくださる姿にモチベーションが高まり、酒井さんと4人、とても楽しく仕事をさせてもらえました。

酒井さん 能登の魅力を発信していく上で、外部の人との交わりが化学変化を起こすと証明できるプロジェクトになりました。これからもコーディネーターとして、地域の企業の課題を丁寧に理解し、最適な人材とのマッチングをフォローしていきたいです。

兼業人材とのプロジェクトで得られた学びと刺激をきっかけに、能登が誇る大脇昆布の商品が日本各地へと広がっていくことでしょう。

受け入れ企業概要

  • 企業名:有限会社大脇昆布(石川県鳳珠郡)
  • 活用期間:2021年10月~2022年1月
  • 活用メニュー:兼業人材(ふるさと兼業)導入

https://chubu-jinzai.meti.go.jp/media/case-introduction/p4621/

地域中小企業のための副業兼業インターン人材活用プラットホームに掲載された記事を引用しています

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